おふまなぶ、漫画チョットカケル

海外で漫画を描いています

石鹸とにらめっこ

遺体管理の本に書いてあった一般石鹸で皮脂を落として逆性石鹸で清拭する方法に、一般石鹸はトリクロサンやイルガサンを使用すると書いてあったが実は両成分はアメリカで販売停止措置になり日本でもイソプロピルメチルフェノールに代替えが進んでいるらしく以前はトリクロサンだった大型のシャボン系がほぼその成分に変わってて現実的じゃない(科学系の本はこういうのがけっこうある)

多分イソプロピルメチルフェノールで問題ないと思うけど大丈夫かなあ

石鹸液もそっちの方が種類が豊富だし

湯灌はイソプロピルメチルフェノールで洗浄⇨塩化ベンザルコニウムで清拭でいいかな

 

ただ最近は病院で湯灌から皮膜法(要は保湿)まで行う事が多く葬儀屋は清拭だけするパターンがメインなのでその場合は塩化ベンザルコニウムのみで清拭を行うと皮脂や油膜に大変弱いそれでは防腐のための殺菌力が激減

天才復元師が絶対やってはいけない凡ミスに。

そこで皮脂にも強い両性界面活性剤が必要となる訳なのですが

さて一般企業の葬儀屋では清拭のみの場合に使うテゴー51の主成分であるアルキルジアミノエチルグリシンが手に入らない問題がありましたがこれも見方を変えれば解決しまして

アルキルジアミノエチルグリシンとほぼ同じ成分で

アルキルポリアミノエチルグリシンというのがありまして安全性のグレードは医薬品よりはるかに下がりますが(用はこれを医薬品グレードにした結果アルキルジアミノエチルグリシンになった)ものでなんとフツーに環境用消毒液として販売されてますがな。

どうせ遅かれ早かれケツ穴にポリマーぶち込んだり顔にシリコンぶち込むのに医薬品グレードや人体用にこだわるのもおかしな話だと思ったのでこれを作中では使用することにしました。

どうせ希釈して移し替えたボトルに「御清水」とか書いとけば遺族も突っ込まないのが葬送業界だしね

それっぽいなんか侘び寂びを感じさせるボトル探しとこ

この前言ってた医薬部外品グレードのアルキル(C12-14) ジアミノエチルグリシンHClは清拭に使えそうなウェットシート類もだんだんと別の成分に差し替えが進んでいるのでボツになりました。(よりによって塩化ベンザルコニウムに)

清拭に使用してる黒いボックスに入ったシート、蓋を開ければ介護用おしりふきだったってシナリオ的にもいいアイデアだと思ったんだけどなあ。

逆性石鹸に差し替えられたせいでそれのみで清拭を行うと防腐防臭の観点からまったくもって実用性が無くなるという

パッと見ると「エタノールや次亜塩素酸でいいじゃん」と思いがちですがそれらは遺体に皮脂や油脂が残留していると効果が激減する上に洗浄力は皆無の消毒液なので問題外です。

 

遺体の防腐に関しては薬品を調べるのが好きな自分にはいい題材かもしれませんね〜

ここに書いてても楽しいし…

個人的には簡単に入手出来ないものは使わない

(納棺師の防腐処理や医学知識の無さにつけこんだボッタ価格の専用品が多い)と決めているのでだいたいぜんぶ数千円で大量に入手できるようにはしてます。

なにか勉強しましたらまたここで垂れ流します。